創業融資の事例解説① 「余裕を持った資金調達を考えていなかった事例」
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創業融資の事例解説①
「余裕を持った資金調達を考えていなかった事例」
銀行経験10年。銀行出身の税理士、深尾宏です。
創業融資の事例解説①「余裕を持った資金調達を考えていなかった事例」についてご紹介します。
開業時の資金調達の重要性についてです。
本件は、顧問契約に相談に来られたお客様の事例です。
このお客様ですけれども、当事務所に相談される前に創業融資を受けていらっしゃいました。
飲食業の計画でして、設備投資で600万円、個人貯蓄で100万円、自己資金100万円、合計2700万円。設備部分で600万円の融資を受けられました。
相談に来られた時に、私からは「もっと余裕を持った資金調達をしておいたほうが良かったんじゃないですか?」というふうに質問しました。
そうしましたところ、社長様からは「借りたら返さないといけないから、少なく借りたんだよ。商売も現金商売だし、お金が入ってくるのが先。支払いのほうも後だから」と自信満々の回答でした。
ですが、大事なのは事業を安定的に経営することです。
こうしたところ、本件では内装工事が見積もりを100万円もオーバーしてしまうという事態となりました。
売上が出て、入金するまでに運転資金がショートしますと、融資が受けられない、追加融資は受けにくいという状況があります。
「追加工事だから、すぐに融資を受けられるだろう」と思っていても、そう簡単にいかないのが現状です。
制作広報の担当者の方にもお話を聞いたのですが、融資を受けてすぐですと、「計画性がない」「計画が甘い」といってマイナス材料で、本件では実際に融資が断られました。
事業を開始しますと、昨今ではコロナ、台風による災害、著しい円安、不況など予期せぬ不測の事態が起こることがあります。
資金に余裕がありますと、不測の事態も少し余裕をもって乗り越えることができます。
創業時は金融機関に事業の実績を見せなくて、実績なしで、創業者様の事業にかける強い思い、練りに練った緻密な計画で資金を調達することができます。
創業時は融資を受ける最大のチャンスでもあります。
当センターでは、多めに資金を借りておくことを勧めています。
金融機関に行く前に、ぜひご相談ください。