創業融資の事例解説② 「損益の計画だけでなく資金繰りを見て融資額を決定する」

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創業融資の事例解説②
「損益の計画だけでなく資金繰りを見て融資額を決定する」

銀行経験10年。銀行出身の税理士、深尾宏です。
創業融資の事例解説②「損益の計画だけでなく資金繰りを見て融資額を決定する」についてです。

まずは、「資金繰り表」の重要性についてです。

「月次損益」と「月次資金繰り表」は異なります。
月次損益とは、その月、会社がいくら儲かったかどうかを表すものです。
一方、月次資金繰り表は異なります。
お金の入りと出を見る、その月に入ってきたお金が多かったのか、少なかったかを確認するものです。
ここで重要となってきますのが、「売上の入金のタイミング」「支払いのタイミング」です。

ひとつ例で考えてみます。表をご参考ください。

売上の入金が翌月、仕入れや給与の支払いが当月のケースについて考えてみます。
まず、左側の月次損益です。
こちらは、会社が儲かっているかどうかです。
1月を見てみますと、売上が100万円、仕入れ(ここには原材料の仕入れ、給与の支払い、経費の支払いなどが含まれます)は70万円。
そうしますと、利益は30万円となります。
次に2月を見てみますと、売上が200万円、経費の支払いが120万円、利益は80万円になります。
2か月で累計を見てみますと、110万円の利益が出ている。
そうすると、会社に110万円のお金が残っていると考えがちです。

次に、資金繰りの表を見てみます。

右の表をご覧ください。こちらは会社にお金は増えたのか、というのを見るものです。
1月を見てみますと、売上は翌月に入金となりますので、入金金額は1月は0円。ありません。
支払いについては当月支払いですので、70万円。そうしますと、現金が70万円出ていったことになります。
次に2月を見てみますと、売上の入金が1月の分が100万円、支払いのほうは120円。
そうしますと、20万円の現金が出ていったことになります。
2か月で見てみますと、累計で90万円のお金が出ていったことになります。

この、月次損益と資金繰りの2つを見てみますと、月次損益を見ると110万円の利益が出ている。
一方、資金繰りの表を見ると、90万円のお金がマイナスということで、月次損益だけを見ても会社のお金が残っているのか、残っていないのかを判断することはできない、ということがおわかりになると思います。

次に、資金繰りについて、数年後の事業結果から逆算してみることが重要となってきます。

ひとつ事例をご紹介します。
「お金が足りるか心配」と福祉事業の社長様から当センターへ相談があったケースです。
ご存知の方はいらっしゃらないかと思いますので、ちょっと話をしますと、福祉事業の売上というのは、都道府県に社長様が申請されて2か月後に入金となるケースが多いです。
そうしますと、1月に売上が200万円、2月に売上が200万円あっても、売上の入金となるのは2月28日に200万円が入ってくるということになります。

そうしますと、1月1日から2月27日までは売上400万円の入金が1円もないので、収入がないということになります。

そこで相談がありましたので、当センターでは月次損益の計画と合わせて、月次資金繰りの計画表を作成しました。
どの時点でどれだけお金があるのか、どの時点でお金が必要なのか、資金がショートすることはないのか、計画から資金繰り表を作成いたしました。
次に、資金繰りを考慮した事業計画を作成しました。
お金が足りなくなりそうであれば、お金がショートしない売上の計画を再度立てることも必要ですし、今回のケースですと、売上の計画は大きく増やすというものとは異なりますので、一時的に融資により資金を調達することで工面しました。

金融機関への提出と熱意を込めたプレゼンも大切です。

本件では、社長様に同行して金融機関の支店長様、担当者様に面談しました。
金融機関の方へは、損益計画、資金繰り計画2期分を提出しました。
ショートしてからでは相談が遅いですから、また計画性がないと思われますので、本件では2か月前に相談しました。
前もって資金がショートしそうな時期を予測して、合わせて月次の資金繰りがプラスになる時期も説明いたしました。
そうしたところ、満額の400万円の融資に成功しました。

余談ですけれども、融資の際、企業の資金繰りまでを見てくれる銀行の担当者の方というのは、ほとんどいません。
損益の計画だけでなくて、資金繰りまで考えて事業を安定的に発展させたいと考える経営者様、当事務所へぜひ、ご相談ください。

元銀行員×税理士フカオーくん のメチャクチャわかりやすい財務と融資のブログ

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